親の介護

Ⅴ.それから・・・

バナナ

久しぶりに朝食にバナナを食べようと思いスーパーで 何種類かあるうちの少し高めの美味しそうなのを選んだ しかし亡くなった母に毎朝刻んで食べさせていた時には一番安いバナナしか買ったことがなかったのに 自分で食べようと思ったら美味しそうな高い方を...
Ⅳ.母在宅介護2

眉間のしわ

母は時々眉間にしわを寄せ口を一文字にしてうつむき加減に難しそうな寂しそうな困ったような顔をしていた 認知症の母のそんな表情は深刻さを感じさせるものではなく小さな子供が悩んでいるようでどこか可愛らしくもあり その表情を見るとまたこの顔をしてる...
Ⅳ.母在宅介護2

ごはん一杯

スプーンでごはんを母の口の中に入れると次に口を開けてくれるまで何分もかかることが多くなってきた 口の前にスプーンでごはんを差し出してもちょっと無理にスプーンを口に入れようとしても1ミリも口を開けてくれない 数分時間をおいてスプーンを口の前に...
Ⅳ.母在宅介護2

5本指の手袋

5本指の小さな手袋母の手の大きさに合わせたようにぴったりの毛糸の手袋 いつ、どこで手に入れたのか全く覚えていないが 朝、デイケアに行く支度で急いで母の指を入れようとすると自ら指を入れることがほとんどないので指一本のところに2本入ってしまった...
Ⅳ.母在宅介護2

おねえさん

思春期の頃から親が鬱陶しくて 母とちゃんとした大人の会話をしていなかったせいか 母の認知症が進んで私を呼ぶのに「おねえさん」とか「すみませんが・・・」とか私の事が分からなくなって面識のない他人に話しかけるようにされても 母との深い思い出も特...
Ⅳ.母在宅介護2

はじまり

このまま家でもみていけそうだ 母が老健から一時退所して一定期間を家で過ごしたら戻る予定で 老健の職員の方からも「またね」といって送り出してもらったが 家に帰ってくると老健に入所する前より足腰もしっかりして 人に頼らず何でも自分からしようとす...