グループホーム

Ⅳ.母在宅介護2

行く日ですか

朝、母を起こしに行くと今日は行く日ですか?とデイケアに行く日かどうか尋ねてくることが多かった 認知症の母は時々自分がどこにいるのかさらに自分が誰なのかも分からなくなることもあったが デイケアと認識していなくてもどこかに出かけるか出かけないか...
Ⅳ.母在宅介護2

ちょこんと

朝デイケアの新しい職員の方が自宅に車で迎えに訪れて小柄な母が玄関の上がり框にちょこんと大人しく腰掛けている姿をみて「かわいい」と軽く声をあげた 昼間にグループホームに母の様子を見に行くとちょこんと椅子に座ってテレビを見ている母の横顔がみえた...
Ⅴ.それから・・・

帰ってきた

母の出棺が終わり車が火葬場へ向かう途中母の通ったグループホームの前に続く坂道の角に差しかかるとグループホームの職員の方の姿が見えた 母を乗せた車の到着を待っていてくれたのだ 出棺から火葬場へ向かう途中に故人縁の地に立ち寄る葬儀会社のサービス...
Ⅴ.それから・・・

お兄さんたちの事

夜勤明けのグループホームのお兄さんが親族だけの葬儀を数日後に控え家に安置されている亡くなった母に会いに立ち寄ってくれて 母がグループホームで好んで飲んでいると聞かされていたジョアを上着の懐のあたりから、さっと取りだしさり気なく手向けてお線香...
Ⅴ.それから・・・

鉄の扉

インターホンを押して名前を名乗ると職員の方が鉄の扉を内側から開けてくれる 母が入院した病院や老健そして最後にICUに入院した時にも母は鉄の扉の内側にいた 鉄の扉は扉の外の世界で生きるのが難しい人や 扉の外の世界の有害なものから守らなくてはな...
Ⅳ.母在宅介護2

むすめがかえてきますように

グループホームでのある年の七夕の短冊に震えるような字で「むすめがかえて(帰って?)きますように」と書かれていた 母は、一度目の結婚で生まれて1年も経たない子をおいて家を出されて 2度目の結婚で生まれた私は幼少時に交通事故で生死の間をさまよう...