戦場の母

死んでしまうのではないか

決して命にかかわるような
そんな病気ではなかったが

母の初めての入院は心配で
入院してからほぼ毎日
病院に会いに行ったが

病室に置かれる医療機器や
母の体につながれる管が
日に日に多くなり

意識もはっきりせず
薬で朦朧としていて
起きているのか寝ているのか
わからないような状態が続いていたので

本気で
このまま母が死んでしまうのではないかと
思ってしまうほど
心配になっていたが

一方
家の方では

静かで平和な
母が病気になる前の
落ち着いた毎日が
久しぶりに戻っていた

そして私は
興奮状態の母との毎晩の
戦場のような日々から逃れた
平和な暮らしの中で

病院で沢山の管につながれながら
病と戦っている母を思いながら
眠りについた

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